ホームレスの友人がいなくなりました。

ずっと伝えようと思っていて、できていなかったコトを今日ブログで伝えます。

 

ぼくのブログやツイッターに度々登場していた友人でホームレスのウエダさんがいなくなりました。

 

ぼくとウエダさんとの出会い

最近、ぼくのことを知った方は「ウエダさんって誰?」となってしまうと思うので説明させていただくと、ウエダさんは代々木公園に6年以上住むホームレスで、昨年ぼくが彼の使っているダンボールを4万円で購入し「世界平和」をテーマにしたアートを描いたことをキッカケに知り合いました。

 

詳しい内容は以下のブログに全て綴っています。

www.hayatomiyamori.com

 

このブログは公開当時、インフルエンサーをはじめ本当にたくさんの人々に拡散していただき、10万人以上に読まれるヒット記事となりました。

そして、その反面、ぼくのこのブログは「ホームレスを利用した売名行為」と相当批判も浴びましたが、その後もウエダさんとは1、2ヶ月に一度会って話すような関係が続きました。

 

ウエダさんはその度にぼくに「人としての在り方」を教えてくれたのです。

中でも「人の信用を何より大事にしろ」、「女、子供にはやさしく」と何度もぼくに語ってくれたことが印象に残っています。

 

また、ウエダさんに協力いただき2泊3日のホームレス体験をさせてもらったり、クリスマスは一緒にケンタッキーを食べてマフラーのプレゼントを贈ったりもしました。

 

ウエダさんが突然いなくなった

そんなウエダさんと最後に会ったのは、今年の4月6日です。

 

ぼくは3度目の個展を控えており、ウエダさんにぜひ自分の作品を観て欲しくて誘いに行ったのです。(ちなみに、ぼくは個展の誘いを個人に対して一切行なっていません。今の所ウエダさんのみです)

 

しかし、ウエダさんは「足が悪い」ということで個展には行けないと応えました。

ぼくはそれが本当の断る理由でないことをすぐに察しました。

 

ウエダさんは自分がホームレスで一般の人と混ざってしまうと「迷惑をかけるかもしれない」という気持ちがあって断ったと感じたのです。

ぼくはそれを察しながらも「分かりました」とだけ答え、ウエダさんの意志を尊重しました。

 

そして、帰りながら「どうしたらウエダさんに喜んでもらえるだろう?」とジッと考え続けたのです。

その結果、「ウエダさんのためのミニ個展を開く」というアイデアを思いつきました。

 

個展に展示する作品のいくつかをウエダさんのお宅に持って行き、そこでウエダさんのためだけに絵の解説をする、そんな特別な個展を開いたら喜んでもらえるんじゃないかとおもったのです。

 

というわけで、ウエダさんと会った数日後にそのミニ個展を実行に移そうとウエダさんのお宅を再び訪れました。

しかし、ウエダさんは留守だったのです。

ぼくはこれまで何度もウエダさんと会ってきましたが、留守というのは初めてのことでした。

 

それで帰りを待とうとおもい、ウエダさんのお宅の前に腰掛けていたのですが、10分が経ち、20分が経ってもウエダさんは一向に現れませんでした。

そして、40分が経とうとした時にウエダさんと知り合いのホームレスの方がぼくに声を掛けてくれたのです。

 

「アンタ、ウエダさんの知り合いかい?」

 

「そうです。画家をしているミヤハヤと申します。ウエダさんに大変お世話になっていて、自分の作品をぜひ見せたくて待っているんですが、ずっと現れないんです。」

 

「そうだったのか。実は、オレも最近、見かけなくて心配してたのよ。いつもこの時間には確実に家にいるんだけどな。」

 

ぼくはそのホームレスさんの話を聴いて、嫌な予感がしました。

 

もしかしたら、もうウエダさんはこの家に戻って来ないのかもしれない。

もう2度と会うことも出来ないのかもしれない。

 

そんなことが頭をよぎったのです。 

ぼくはその日、1時間以上待っていたのですが、結局ウエダさんは現れませんでした。

 

ウエダさんと2度と会うことはないことを認めた

 その後も、ぼくはウエダさんのお宅を訪れ続けました。

 

個展の直前も、個展が終わってからも何度も何度も何度も何度も「今日はいるんじゃないか」と淡い希望を捨てずに通いました。

しかし、ウエダさんの姿は一度もありません。

気づけば、ウエダさんがいなくなって1ヶ月半が経過していました。

 

ぼくはもう誰もいないウエダさんのお宅を眺めながら、静かに認めることにしました。

もうウエダさんと会うことは人生で2度とないと。

 

一度も名前を読んでもらえなかった

ぼくにはウエダさんに対してずっとささやかな目標を抱いていました。

それが「ウエダさんに名前で呼んでもらうこと」です。

ぼくはウエダさん!!!ウエダさん!!!とずっと名前で呼び続けていましたが、ウエダさんはぼくのことを「アンタ」や「兄ちゃん」としか呼んでもらえませんでした。

 

ウエダさんとずっと交流を続けて、きっといつか名前で呼んでもらうぞ!と心の中で思っていたので、それが実現不可能なことが悔しくて悔しくて堪りません。

 

ウエダさんは本当にやさしい人でした

ウエダさんは、ホームレス仲間たちに食べ物やタバコを進んで与えるやさしい人でした。

ウエダさんは、道端で子供に怒鳴る親を見かけたら「子供には怒るのではなく、叱ってやってくれ。子供を悲しませないでくれ。」と伝える道徳のある人でした。

ウエダさんは、痴漢にあった方を2度も救ったことのある勇気のある人でした。

 

ウエダさんには離婚歴があります。

この世にたった1人の娘さんもいらっしゃるそうです。

ぼくが「娘さんともし、道端で出会ってしまったらどうしますか?」と質問したら「すぐに土下座する」と答えました。

ウエダさんは健全な自責心がある人だと思いました。

 

「子供とひとり親を救ってほしい」というウエダさんの意志を継ぎます

ウエダさんは社会が少しでも良くなることを強く望んでいました。

 

ぼくはウエダさんに相談したことがあります。

それはぼくが画家として活動して売り上げたお金で「ホームレスの支援をしたい」というモノです。

 

しかし、ウエダさんにそれをキッパリと否定されました。

ホームレスよりももっと支援しないといけない所がある。

それが未来を作る子供たち、そして経済的に困難なひとり親家庭だと。

 

「もし、支援をするなら『これからの未来を作っていく子供たちの将来のためにお金を使う』のが正しい支援だ」とウエダさんに教えていただいたのです。

 

ぼくはこのウエダさんの意志を継ぎ、これから未来を作る子供たちのために、ひとり親家庭のために自分の出来ることを実行して行こうとおもいます。

 

個展で黒字になった場合、売上の一部を子供支援を行なっている団体、ひとり親の支援団体に寄付します

具体的にぼくが実行することを一つのみですが、書かせていただきます。

 

これから行う個展の売上がもし黒字になった場合、その利益の一部を子供の支援団体、ひとり親の支援団体に寄付を行います。

 

微力なのは分かっています。

しかし、その微力が少しずつでも積み重ねられれば大きな支援になると思うのです。

ぼくはずっとブログでも「やさしい世界を作りたい」と公言し続けています。

この行いがそれにつながる一歩であると感じているので社会のためにも、ウエダさんのためにも実行していきます。

 

 ありがとう

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ウエダさんと一緒に撮った最後の写真

ウエダさんには本当に感謝しています。

 

ぼくがアーティストとしての土台を築けたのは間違い無く、ウエダさんと出会えたおかげです。

また、会う度に人間としての本質を教えてくださったこと、何よりウエダさんの人格をぼくは心から尊敬していました。

 

もう2度と会うことがないとおもうと、悲しくて仕方ありません。

ウエダさん、本当に本当にありがとうございました。

もう会うことができないから、せめてぼくはウエダさんの意志を継ぎます。

そして、少しでも社会に役立てるようにアーティストとして生きていきます。

 

ウエダさんがどうか今でも、生きていることを心から祈っています。

本当に微かな希望かもしれないけれど。

もし、万が一このブログを目にすることがあったら連絡くださいね。

 

ぼくはウエダさんと出会えたことを一生誇りにおもいます。

 

ありがとう。

 

 

ミヤハヤ